僕の妻(ロシア人)↓は、ものすごく時間にルーズだ。
出かけるときは必ず30分以上遅れるし、待ち合わせでは僕が待たされた記憶しかない。
「ロシア人は時間にルーズなのか?」と思っていたが、聞いたところロシアにいた時からよく遅刻して怒られていたというのでこれは彼女個人の問題らしい。
日常の些細なことだけでなく、遅刻のせいで飛行機に乗り遅れたりビザの更新に失敗したりという大失態も犯しているのでかなりの重症だ。
今のところ唯一の完全な解決法は“最初から一緒にいて急かす”ということだけだ。
シンプルに怒ったり、優しく諭してみたりと色々なアプローチをしたが、結局彼女の遅刻癖は治っていない。
なんでこんなに時間が計算できないんだろう?と真剣に考えていた時、方向オンチな彼女を見て僕は1つの仮説を立てた。
妻は音痴、方向オンチ、運動オンチと、オンチの大三元だ。
妻のこれまでの遅刻っぷりが、オンチだと思えばすべて合点がいった。
きっと、”時間オンチ”もある。
ということで今日は時間オンチというものがあるとして、その詳細や対策を書きたいと思う。
2種類の時間オンチ
まず、時間オンチには2種類あると思う。
①時間の見積もりがヘタ
これは僕自身もそうだったんだが、フリーランスでWeb制作をやっていた頃、よく作業時間見積もりを失敗してえらい目に遭っていた。
「5〜6時間あればできる」と思っていた作業が、気がついたら15時間くらい経ってしまっていたりなんてことはしょっちゅうだった。
その原因は“理論上最速の時間”で見積もってしまっていたからだと随分後になって気づいた。
作業中にする休憩や食事、自分がだらけること、人から急に頼まれごとをして作業が止まること、コードを書くときにしばらく詰まってしまうことなどをほとんど計算できず、“自分がフルパワーで理想的に働き続ける”ということを前提に予定を組んでしまっていた。
量をこなすことで質も速さも高まってくるのをどこかで期待しながらがむしゃらに日々を過ごしていた。
納期はどうにかこうにか間に合わせていたけれども、ついに体を壊してしまいweb制作ができなくなった。
自分の話が長くなってしまったが、これは日常の些細なことにも当てはまる時間オンチだ。
例えば、「あと10分で集合場所に着く」と言ったときに移動の車中の時間だけを見てそう言ってしまう人は結構多いと思う。
駅構内や建物内での移動時間を計算しなかったりして結果20分経ってしまったという経験は誰でもあるのではないでしょうか。
このように時間の見積もりがヘタなのが常習化している人は時間オンチと言ってしまっていいのではないかと思う。
これは、経験を積んでいったり周囲がアドバイスしてあげることで改善が期待できるタイプの時間オンチだ。
厄介なのは次のタイプの時間オンチだ。
②”時間は大切”という価値観が弱い
端的に言ってしまうと時間に対して無頓着な人だ。
まず、自分なりに”約束”を図示化してみた。
約束の構図は以下のようになると思う。
約束が生まれたとき、人と約束の対象との間には”時間”が介在することになる。
そして一般的に約束が破られたときの要因は、
①”約束をすること”を軽視している
②約束の対象となる人やものが大切ではない
③”時間そのもの”を大切に思えない
時間オンチの人はだいたい③の理由で遅刻していると思う。
だから、遅刻されたからといって”約束の対象となる人やモノがどうでもいい”のではないので、そこはあまり責めるべきではないと思う。
妻も待ち合わせに遅れて怒られたときはしっかり反省しているように見えるし、飛行機に乗り遅れた時には自己嫌悪で泣いていたこともある。
こういう様子を見る限り、本人は約束の対象をどうでもいいと思ってはいないように思える。
だから、約束の対象をどうでもいいと思っていないのであれば、その間にある”時間”の価値を軽視しているか”約束するということ”を軽視している可能性が残る。
そして、時間の価値を軽視しているのであればその人は時間オンチだ。
このタイプの時間オンチは育った周囲の環境によって形成されることが多いように思う。
沖縄の人が時間にルーズというのがいい例だ。
タイプ別 時間オンチの対応策
ここからは僕が時間オンチな妻と付き合う中で見出したタイプ別の対策を紹介したい。
①時間の見積もりがヘタな時間オンチ
このタイプは経験や周囲のアドバイスでどんどん時間の見積もりの精度が上がっていくので、周囲がサポートしてあげるのが一番いい。
「こいつよく遅れるなー」という人がいたら、一度どういう風に時間を見積もっているか聞いてみるとすぐにわかると思う。
②”時間は大切”という価値観が弱い時間オンチ
このタイプはすごく厄介で、正直言って治すのは不可能に近いと今のところ思っている。
夫婦や家族なら身支度に付き合ってあげることでマネジメントできるが、そうじゃない場合はもう嘘の時間を伝えるしかないと思う。
本当の時間よりも30分早く予定を伝えるなど、本人の遅刻を織り込んだ時間を伝えるのが一番いい。
もちろん、それがフェイクの時間だということは絶対にバレてはいけない。
厄介なことに、時間オンチは①と②の性質を両方持っていることも多いので、どちらか一方だけでは不十分なこともあるということを覚悟しておいてほしい。
まとめ
もし家族や近しい友人、もしくはあなた自身が時間にルーズな人だったなら、「ダメ人間」のレッテルを貼る前にまずは”時間オンチ”という観点でその人を見てあげたら少しは気が楽になるのではないだろうか。
この時間オンチの理論もまだまだ自分の頭に浮かんだばかりなので、色々な人から意見をもらってもっとブラッシュアップしていきたいと思う。
あとがき
堅苦しく書いてしまいましたが、普段のブログはもっとカジュアルな感じなのでぜひ他の記事も読んでもらえると嬉しいです!