ロシア人の妻と話して気づいた『野球』というスポーツの異常さと偉大さ



世界野球プレミア12、侍ジャパン優勝おめでとうございます!
野球というスポーツは僕たち夫婦にとって、コミュニケーションのきっかけになる大切なスポーツです。

今日はロシア人の妻と話していて野球というスポーツがいかに異常か、複雑か、そして偉大なスポーツか気づいた話をしたいと思います。

最大のカルチャーショック

僕たちはよく車で出かけるんですが、プロ野球のシーズン中はよくカーラジオで日ハムの中継を聴いています。
は全く野球を知らないので、僕が一方的に選手の特徴や試合展開、ルールの解説などを熱く語るばかりになっているんですが(笑)
それはそれでお互い楽しんでいます。

妻と話していて驚いたんですが、妻はストライクとボールの概念を知りませんでした。
これは妻と知り合ってからの5年間の中で一番のカルチャーショックでした。

ストライクとボールの概念をイチから説明することは、すごく難しかったです。

日本人の皆さんに聞きたいんですが、皆さんは生きていて誰かにストライクとボールの説明をしたことがあるでしょうか?
野球のルールを知らない人はたくさんいると思いますが、ストライクとボールという概念を持っていない日本人を探すのはかなり難しいことだと思います。

そもそも、「ストライクゾーン」という言葉が慣用句になっているほど、日本人にとって野球というスポーツは浸透しきっています。
他にも「アウト(ダメという意味での)」「セーフ(大丈夫という意味)」も野球からの言葉です。

野球を全く知らないリューと話す中で、最初は「なんでこんなことも知らないんだよw」とロシア人が野球を知らなさすぎることを笑っていましたが、
だんだんと”野球というスポーツの異常さ”の方が浮かび上がってきました。

そして、野球という異常なスポーツが浸透しきった日本人の異常さにも目が向くようになってきました。

この記事では僕が野球を全く知らない文化圏の人から見た野球というスポーツの”異常さ”と”偉大さ”をまとめました。
最終的には野球を絶賛する方向の記事なので安心して読んでください。

野球の異常さ

まずは野球の異常さの方に目を向けたいと思います。

野球というスポーツはルールが複雑です。
これはルールを知っている人でも「うんうん」と頷くと思います。。

冒頭の話に戻りますが、”ストライク”と”ボール”の時点で相当ややこしい。

試しにストライクとボールの概念の説明をしてみます。

バッターの体の前に“ストライクゾーン”という審判に委ねられた見えないゾーンがあり、そこを球が通過するかバッターが空振りすれば”ストライク”、外れたら”ボール”。
ストライクが3つでバッターはアウトになり、アウトになる前にボールが4つになればバッターは一塁に進む。
ファールゾーンに打球が飛んだらファールになりストライク扱いになる。
ただし、2ストライクからはファールを何度打ってもストライクにはならない。

疲れた。

野球というスポーツはストライクとボールの説明だけでこんなに複雑なんです。
サッカーやバスケならこれと同じ文字数でざっくりしたルール説明が終わっているかもしれません(笑)

野球はさらにアウトの取り方、点の入り方を説明しなければ全体を理解することはできません。

これだけ複雑なストライクとボールの概念を、暗黙知として身につけている日本人の文化レベルの方が異常なのではないでしょうか。
これは漫画やアニメ、ドラマなどのエンターテイメントの中に野球を題材にしたものが多かったことが一番の要因だと思います。

知らない人が見たらルールがまったくわからないスポーツ

「もしも自分が何のスポーツも見たことがない人だったら」と想像してみました。

その場合、『ルールが全くわからないスポーツNo1』の候補はダントツで野球です。
クリケットもいい勝負だと思いますが、日本人にとってはメジャーではないので今回は除外しました。

サッカーやバスケ、バレーボールなどは、初めて見たとしてもなんとなくルールがわかる、よくできたスポーツだと思います。

野球はといえば、僕の妻がそうであったように初見では何をやっているのか全くわからないスポーツです。
こんな何をやっているかわからないスポーツに何百万人、何千万人が熱狂します。

やっぱり日本人の方が特殊なのかもしれません。

野球というスポーツのイノベーション

次に野球というスポーツが起こしたスポーツ史上最高かもしれない”奇跡のイノベーション”についてです。

僕は原始人のスポーツを想像してみました。

「もし僕が原始人だったら」と考えた時、

原始人のサッカー

①そこらへんの石ころや動物の骨だったり大きい木の実を蹴って遊ぶ
②ゴールを作り、そこに蹴り入れたら勝ちみたいなゲームに発展する(今のPKみたいな形)
③2チームに分かれて、ゴールを1つずつ置き、パスしながら相手のゴールを狙う

というようにして今のサッカーの形に進化していくのはすごく自然なことではないでしょうか。
人数だったりフィールドの広さというのはその地域・コミュニティごとに偶然決まっていくものだと思います。

原始人のバスケ

①そこらへんの石ころや動物の骨だったり大きい木の実をどこかの的にぶつけて遊ぶ
②的にぶつかったかどうかだと判定が曖昧になるのでカゴや輪っかをゴールにする
③誰がより多くゴールできるかを競う
④2チームに分かれて、ゴールを1つずつ置き、パスしながら相手のゴールを狙う

というような感じで、これも自然にスポーツらしくなってくるはずです。

原始人のサッカーとバスケを想像してみて気づいたのは、ボールが発明されることが重要だということです。

サッカーもバスケも、”弾むボール”がないと現代の形にたどり着くことはありません。
球技の歴史とは”ボールの歴史”と言い換えることができるかもしれません。

でもこれは、ボールの発明こそがイノベーションの主役であり、ルールのイノベーションではありません。

野球というスポーツは、このルールのイノベーションが起きた”奇跡のスポーツ”なんです。

原始人の野球

①そこらへんの木の棒で、きのみや石ころを打って遊ぶ
②ピッチャーみたいな存在が誕生し、バッターが打ったら勝ちみたいなゲームになる
③球が失くならないように、それを捕る係が必要になる
→そのうち捕る行為自体にもゲーム性を持たせるようになる
④2チームに分かれ、たくさんいい打球を打った方が勝ちみたいなスポーツになる

この辺までは想像できたんですが、ベースという概念が全く想像できませんでした。

野球というスポーツの最大のイノベーションはこの『ベースの発明』にこそあると思います。

どんなに想像を巡らせても、原始人の自分がベースを誕生させることはできないと思いました。
インターネットで簡単に野球やクリケットの歴史を調べたが、ベースが誕生する思考プロセスを理解することもできませんでした。

おそらくAIにも生み出せないスポーツ

AI(人工知能)に人間とボールを使ってシミュレーションをさせてみたら、きっとサッカーとかバスケットボールのようなスポーツは生み出すことができると思います。

でもバットとボールを使った遊びにベースの概念を加えることは何万回シミュレーションしてもできないのではないでしょうか?
(AIの専門家の方がこれを読んで間違っていると思ったらぜひコメントをください)

どんなに考えても“バットボール(球飛ばし遊び)” が ”ベースボール”へと飛躍したきっかけが全くわかりません。
これこそ、スポーツ史上最大のイノベーションだと僕は勝手に思っています。

書いていて気がついたんですが、野球は”バットボール”ではありません。

サッカーは”フットボール”、つまり足+ボール。
“バスケットボール”はカゴ+ボール。

“〇〇ボール”という名前のスポーツの、〇〇の部分がそのスポーツの本質を表していると仮定すれば、
“ベースボール”というスポーツはベース(塁)こそが本質と言えるのではないでしょうか。

現代に伝わる野球の名前が”バットボール”ではないことから、初期のベースボールを作った人たちは”ベース”の部分が特徴的なスポーツだと思っていたのかもしれません。

野球を好きな宇宙人もいるかもしれない -レベルEの話-

ここで、レベルEという僕が大好きな漫画のことを思い出しました。

“幽遊白書”を描いた後の冨樫義博先生の作品で、文庫本2冊分の短いストーリーながらコアなファンが多い漫画です。
ハンターハンターが好きという人は読んで損はありません。

この漫画は地球に潜む宇宙人たちの物語で、その中でも僕が強烈に覚えているのが“ディスクン星人”の話です。

彼らはその気になれば地球を滅ぼすことができるほどの力を持っていますが、「野球を観るのがが大好きなので、地球人を殺さないように地球では暴れない」そうです。

どこかマヌケな話ですが、野球というスポーツについてここまで深く考えた後に読むと妙にリアリティがあるような気がしてきます。

それくらい野球というスポーツは偉大なスポーツだと僕は思います。

最後に


野球選手の皆さん、いつも野球を見せてくれてありがとうございます。
僕は今日、野球について日本人の誰よりも深く考え抜いたと思います。

僕が出した結論は、「野球は奇跡のスポーツだ」ということです。

これからも野球という素晴らしいスポーツを見せてください。
僕たちのために。地球のために。


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