つい先日こんな記事を見つけました。
「酒に酔うと外国語がうまくなる」:欧州の研究者らが実験で確認
リンク:http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8722.php
ニューズウィーク日本版のネットの記事です。
記事を見てみると
「不安を軽減するアルコールの作用が有効にはたらいた可能性がある」としている。
とあるように、「適量のアルコールの作用で不安が軽減される→積極的に話すことができるようになる」という理屈だそうです。
「外国語がうまくなる」の定義がすごく曖昧な記事なのでコメントしにくいですが、「発音が良くなる」という結果については僕も同感です。
僕は、4年前アメリカに留学していた頃に身をもって酒が英会話に与える効果を知りました。
ということで今回はこの記事の内容を踏まえて、自分の経験に基づいた考察やこの記事の補足をしていきたいと思います。
アメリカ留学2ヶ月目の覚醒
4年前、アメリカのシカゴに留学して語学学校(世界中から留学生が来るところでアメリカ人の生徒はいない)に通っていた頃。
留学開始から2ヶ月経ったある日、台湾人や韓国人の友達にホームパーティに呼ばれ、アメリカに来て初めてそこで酒を飲みました。
ビールを1杯飲んでほろ酔い状態になった時、自分の英語が突然上手くなりました。
発音が劇的に良くなったことと、会話の中で自分が文章を組み立てるスピードが上がったことをはっきりと認識できました。
それ以降たまにパーティーやバーなどで酒を飲んでほろ酔い以上の状態になったとき、英語がいつもよりも上手くなっているのが自分でもわかるくらいの状態になったことが何度もありました。
まさに、「酒に酔うと英語がうまくなる」の状態です。
酔うことによって起こった3つの変化
自分なりにこの時、僕に起こった変化をまとめてみました。
①酔うと体と口がリラックスする
酔っ払ったせいで適度に口の筋肉がリラックスできて、すごく滑らかに発音ができた感覚がありました。
変な表現ですが「ほどよく呂律が回らない」という感じが英語の発音にいい影響を与えました。
また、英語はアクセントがとても重要な言語です。
緩急をつけるときには力を入れるだけでなく脱力するのも重要です。
ほろ酔い状態で体がリラックスしたこともアクセントをつけるのに役立ったのかもしれません。
②酔うと頭の回転が早くなる
酔って英語を喋るときにはなぜか頭の回転が普段よりも早くなっていた感覚を今でもはっきり覚えています。
頭の回転が早くなり、英語をいつもよりも高速で処理してスムーズに会話をすることができたような気がします(酔っていたのでもしかしたらそれも錯覚かもしれませんが)。
強引に例えると、マンガでよく言う「ボールが止まって見える」みたいな状態です。
不思議なことに日本語を話すときには酔ってもレベルアップを感じたことはありません。
母国語にはこの効果は現れにくいのかもしれません。
③酔うとミスが気にならなくなる
あとは、細かいミスを気にしなくなるというのも大きな要因かもしれません。
外国語を勉強し始めたころはどうしてもミスが怖いものです(日本人は特に)。
酔って気が大きくなり、英語を話していく上で出てくる細かい文法のミスなどを気にしなくなったおかげで積極的に会話ができるようになりました。
また、「酔っているときの会話なんてどうせ大した話じゃない」という気持ちもあったことで、その会話の内容をいい意味でどうでもいいと思えたこともプレッシャーの軽減に一役買っていたんではないかと思います。
「じゃあやってみよう!」の前に
この記事を読んだ方の中には「じゃあ、今度からお酒を飲んで外国人と話してみよう!」と思った方もいるかもしれませんが、そう簡単にはいきません。
これには条件があります。
記事の中にあるように、被験者は「ドイツ語を母国語とし、最近オランダ語の会話と読み書きを学んだマーストリヒト大の学生50人」とあります。
“最近学んだ”というのがとても重要です。
スピードラーニングやTOEIC対策の勉強などをやっていたりと、現在進行形で日常的に英語に触れている人にしかおそらく効果はありません。
もちろん、酔ってリラックスすることで度胸が出て普段よりも積極的に発言できるという効果は得られると思いますが、スキルアップに関しては日常的な学習がないと効果はあまり見込めないと思います。
お酒以外にもある裏ワザ
さらに英会話の上達のコツについて個人的な体験からお話しすると、『たまに自分よりも少し英語がヘタな人と話す』というのがすごく有効でした。
「この人は自分よりも少しヘタだな」と思える人と話すと、自分のミスが気にならないで積極的に会話ができ、結果的にニューズウィークの記事でいうところのお酒を飲んだ時と同じ効果を得ることができます。
ただし、「自分よりも”少し”ヘタ」というのが重要です。
話していて楽しくないくらいレベルに差が出てしまったら効果は半減します。
また、
①発音がヘタ
②文法ミスが多い
③文章を組み立てて話すのが遅い
など、ヘタにも種類があります。
その相手の英語のどの部分がヘタなのかをしっかりと認識して会話すると、自分の英語を振り返るいい機会になります。
それと同じくらい、自分よりも少し英語がうまい人と話すことも重要です。
現在の自分よりも上のレベルの人と会話することでボキャブラリーが増えていきます。
僕は語学学校に通っていたので、周りは世界中から来た留学生でした。
そこで色々なレベルの英語にバランス良く触れられたのがよかったと今となっては思います。
まとめ
僕の経験から言わせていただくと、語学力のレベルアップには
・酒を飲んで酔っぱらう(普段からその言語を勉強している上で)
・自分よりも少しヘタな人、少しだけ上手い人とバランス良く会話する
という2つが挙げられます。
どちらも簡単に試せることなのでぜひやってみてください!